はじめに
この記事では、要望がありましたので、アルモダフィニルとモダフィニル(モディオダール)の比較をします。
日本で、モダフィニルは使われています。けれど、アルモダフィニルは病院で処方されていないと思います。個人輸入とかするしかないです。
両方の薬とも、日中の過度な眠気を治療するために使われます。米国では、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、交代勤務睡眠障害、への適用があります。
また、適用外処方として、ADHD、慢性疲労症候群、大うつ病、双極性障害、にも使われています。
R体とS体
モダフィニルの成分は、S体とR体と呼ばれるものから成り立っています。
上の図をよく見てもらうと、S体とR体は、化学構造が互いに鏡像の関係になっていると思います。R体とS体は、効果の持続時間や副作用の面で少し違いがあります。
アルモダフィニルは、モダフィニルの成分のうち、R体だけから成っています。繰り返しますが、モダフィニルは、R体とS体の両方から成っています。
R体だけから成り立っているアルモダフィニルは、S体とR体から成り立っているモダフィニルより、副作用が少なく、持続時間も長いと言われています。
ですので、米国では、アルモダフィニルの方を使う事が一般的なようです。日本でもアルモダフィニルが使えるようになる事が望まれます。
モダフィニルは、S体とR体から成り、アルモダフィニルは、R体だけから成ります。その事により、アルモダフィニルの方が、副作用や持続時間の面で、より優れていると言われています。
副作用
モダフィニルとアルモダフィニルの副作用を比較すると、次の表のようになっています。
アルモダフィニル | モダフィニル | アルモダフィニル | モダフィニル | |||
動悸 | 6 (5.71%) | 9 (8.49%) | うつ病 | 2 (1.9%) | 0 (0%) | |
高血圧 | 4 (3.81%) | 8 (7.55%) | 興奮 | 3 (2.86%) | 6 (5.66%) | |
皮ふ発疹 | 1 (0.95%) | 0 (0%) | 神経質 | 10 (9.52%) | 4 (3.77%) | |
吐き気 | 13 (12.38%) | 11 (10.38%) | 抑うつ気分 | 4 (3.81%) | 0 (0%) | |
嘔吐 | 1 (0.95%) | 2 (1.89%) | めまい | 2 (1.9%) | 8 (7.55%) | |
口内乾燥 | 15 (14.29%) | 19 (17.92%) | 注意障害 | 3 (2.86%) | 2 (1.89%) | |
消化不良 | 6 (5.71%) | 9 (8.49%) | 震え | 3 (2.86%) | 7 (6.6%) | |
便秘 | 11 (10.48%) | 5 (4.72%) | 頭痛 | 14 (13.33%) | 15 (14.15%) | |
腹痛 | 4 (3.81%) | 5 (4.72%) | 片頭痛 | 1 (0.95%) | 0 (0%) | |
下痢 | 0 (0%) | 4 (3.77%) | 疲労 | 4 (3.81%) | 4 (3.77%) | |
不眠 | 5 (4.76%) | 11 (10.38%) | のどの渇き | 12 (11.43%) | 6 (5.66%) | |
不安 | 7 (6.67%) | 9 (8.49%) | 熱 | 0 (0%) |
アルモダフィニルの方が、副作用が少ないと言われていますが、実はそれ程変わらない気もします。
ですが、アルモダフィニルの不眠については、モダフィニルの半分以下になっているのは重要かもしれません。効果の持続時間がモダフィニルより長いにも関わらず、不眠は少なくなっています。
アルモダフィニルの特に多い副作用は、吐き気、口内乾燥、頭痛、便秘、のどの渇き、があります。モダフィニルに特に多い副作用は、吐き気、口内乾燥、頭痛、不眠、があります。
アルモダフィニルとモダフィニルは、副作用の発生率を合計すると実は同じ位です。けれど、アルモダフィニルの方が、不眠については少ないのは重要だと思います。
効果の持続時間
効果の持続時間は、アルモダフィニルの方がモダフィニルより長いとは言われています。ですが、両方とも半減期がだいたい15時間位で、同じ位だとも言われています。
ただ、モダフィニルは、服薬してから10時間から後の時間に、覚醒効果が弱まってしまうと言われています。
10時間より後の時間に眠くなってしまうと、例えば、車で通勤している労働者の場合、帰宅途中、事故を起こしやすくなってしまいます。
アルモダフィニルの場合、服薬の14時間後位でも、高い血中濃度を維持できます。家に帰ってからも覚醒度が比較的高いので、何かと良いのではないでしょうか。
それにも関わらず、アルモダフィニルの方が、モダフィニルより不眠の副作用が少ないです。睡眠と覚醒の管理としても、アルモダフィニルの方が優れているかもしれません。
アルモダフィニルの方がモダフィニルより覚醒作用が持続します。にも関わらず、アルモダフィニルの方が不眠が少ないので、モダフィニルより良いと思います。
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今回は短いですが、これで終わりです。アルモダフィニルの方が、モダフィニルより優れた薬のように思えました。日本でも早く使えるようになって欲しいです。
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