「2030年代中頃までに精神疾患は人工知能で完治される」第6回YouTube投稿

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動画

台本

はじめに

最近のAI(人工知能)の進歩は凄まじいです。これから何十年かは、産業革命と同じ位の変化がAIによってもったらされると言われています。

この動画では、AIの進歩が精神疾患の治療にもたらす革新について話します。2030年代の中頃までには、ほとんどの精神疾患は、AIによって完治されると言われています。その事について話します。

今はまだAIは、それ程日常生活に入ってきていません。生成AIのChatGPTというのは聞いたことがあると思いますが、ChatGPTでさえ使っている人は20%程度しかいません。

今後数年で、世界のほぼ全ての人が、高度で高機能なAIエージェント(AIのパートナー)を持つ事になると言われています。その頃には、AIの革新性が一般に理解されるのではないでしょうか。

ダリオ・アモデイ

この動画では、ダリオ・アモデイという人が言っている「AIがもたらす明るい未来」について話します。まず、一般的なAIの革新性について話した後、精神疾患については後半で話します。

ダリオ・アモデイは、アンソロピック社というAI開発会社のCEOです。生物物理学の博士号を取得していますし、脳科学の分野でもポスドク研究をしていました。

おそらく、ダリオ・アモデイの言っている事は、他のAI開発会社のCEOや研究者も、概ね同意するのではないかと思います。他のAI開発会社には、OpenAIやDeepMindなどがあります。

パワフルAI

ダリオ・アモデイは、AIは2026年にパワフルAIになると言っています。パワフルAIは、一般的に言われているAGI(汎用人工知能)と同じものです。

パワフルAIは、数学、生物学、プログラミング、文章執筆など、あらゆる分野でノーベル賞受賞者クラスの能力を持つと言われています。つまり、世界で最も優秀な頭脳を、全ての分野で持つと言われています。

しかも、パワフルAIは、言われた事だけをやるのではなく、自律的に動いて問題を解決します。

このようなパワフルAIが数百万体も作られて、データセンターの中で、生物学、数学などを共同研究すると言われています。ノーベル賞級の科学者が数百万人も共同で研究しているようなものです。

それをダリオ・アモデイは、「データセンターの中の天才たちの国」と呼んでいます。その国では、過去千年分の科学進歩を5~10年で実現する可能性もあるそうです。

つまり、信じ難い事かもしれませんが、2030年代半ば頃には、今より科学が千年進歩している事になります。

精神疾患の完治

ダリオ・アモデイは、ほとんどの精神疾患は、2030年代の中頃までには完治させる事ができると言っています。4つの異なるルートで精神医療の進歩が加速されます。

① 神経伝達物質の調節による治療
② 精神疾患の遺伝的な治療
③ 脳の神経ネットワークの正常化
④ 脳の構造的な状態の再構築

まず、①について話します。神経伝達物質の調節をして精神疾患を治療する薬は、今でもあります。

例えば、ドーパミン、セロトニン、アセチルコリン、グルタミン酸、GABAを調節する薬です。その方面での治療薬もAIで格段に進歩します。

認知機能を全面的に向上させる事ができる薬も登場するかもしれません。知能レベルを大きく上昇させるスマートドラッグなどもできそうです。

また、②の精神疾患の遺伝的な治療に関する研究も、AIによって加速されます。遺伝子を編集して患者の遺伝的な精神疾患を根本的に治癒する事もできるかもしれません。

③については、精神疾患では、脳の特定の部位に異常があるというより、脳内の神経ネットワーク(脳回路)が正常に形成されていないとも言われています。

それらについては、システム神経科学や計算神経科学という分野で研究されています。AIによって、それらの分野の研究は加速されます。精神疾患の完治にも貢献するでしょう。

④については、例えば、統合失調症などは、若い時の自我の確立の失敗で起こるとも言われています。そのような構造的に異常な状態は、治療するのがより難しいかもしれません。

そのような場合、人の脳をもっと若い段階に戻して、再構築し直すという方法が考えられます。つまり、脳をもっと可塑的な状態に戻します。言わば、思春期をやり直すという事です。

ダリオ・アモデイは、AIによって、そのような事が可能になると言っています。

ですので、繰り返しますが、4つのルートで精神疾患の研究が加速され、完治へと向かいます。

① 神経伝達物質の調節による治療
② 精神疾患の遺伝的な治療
③ 脳の神経ネットワークの正常化
④ 脳の構造的な状態の再構築

開発のスピードアップ

精神疾患を完治する方法が見つかったとしても、現実に治療を行うためには、実験をしたり、臨床試験をして、効果や安全性を確かめなくてはいけません。

けれど、そのあたりもAIの進歩で、速める事ができるようになります。薬や治療法を開発するまでのプロセスには、いくつかの段階があります。

  1. 試験管内の試験
  2. 動物実験
  3. ヒトを対象とした臨床試験
  4. 創薬の過程や創薬した後に、国によって行われる手続き

これらの各段階もAIでスピードアップできます。

  1. これまで動物実験が必要であった事を試験管内で行い、迅速に終わらせる事ができるようになるかもしれません。
  2. 人に対して行われる臨床試験を、動物実験や試験管内の試験で代替し、安価で迅速に行えるようになるかもしれません。
  3. ある治療法がヒトに何を起こすかをより正確に予測する「シミュレーション技術」が確立されるかもしれません。それによって、臨床試験を行わなくてもよくなります。
  4. 臨床試験などの際の手続きを大幅にスピードアップする事ができるようになるかもしれません。

現在では、薬の開発プロセスは、長い場合に10年位かかります。それを1~3年位に縮める事も可能になるかもしれません。

要するに、2030年代中頃までに精神疾患を完治する方法が見つかった後、実際に使えるまでに、それ程時間はかからないのではないかと思います。

まとめ

ダリオ・アモデイの言っている事によれば、早ければ2030年代前半、遅くても2030年代のうちに、精神疾患の患者はほぼいなくなるかもしれません。

ですが、AIが順調に進歩するかはわかりません。いろいろなリスクもあります。良からぬ意図を持った人に利用されて大惨事を招き、その結果、開発が止められるかもしれません。

精神疾患の人たちのより良い未来のためにも、AIが安全に迅速に進歩していってくれる事を期待します。

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参考文献

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