リスパダールの統合失調症に対する「有効性データ」(10/11)

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リスパダール はじめに&まとめリンク集(1/11)

この記事ではリスパダールの有効性について書きます。

全般的な有効性

リスパダールの有効性を、2019年にマクシミリアン・ハーンらによって行われた「メタ分析」で考えてみます。

このメタ分析は、何百という臨床試験の結果を統合して計算したものとなっています。平均して6週間程度の短期試験の結果が、計算に入れられています。

代表的な抗精神病薬のPANSS合計スコアの「効果量」は、メタ分析で下の表のように出ました。

PANSS合計効果量
クロザピン0.89ハロペリドール0.47シクレスト0.39
ソリアン0.73クロルプロマジン0.44ラツーダ0.36
オランザピン0.56セロクエル0.42カリプラジン0.34
リスパダール0.55エビリファイ0.41イロペリドン0.33
インヴェガ0.49ジプラシドン0.41レキサルティ0.26
ドグマチール0.48セルチンドール0.40

メタ分析の結果では、リスパダールの効果量は、0.55となっています。インヴェガの0.49より大きく、オランザピンの0.56よりわずかに小さいとなっています。

リスパダールの陽性症状、陰性症状、その他の症状、などに対する全般的な有効性は、オランザピンに近い位で、高いように思われます。

陽性症状への効果

次に、リスパダールの「陽性症状」への効果に絞って見ていきます。メタ分析におけるPANSS「陽性」スコアの「効果量」は、下の表のようになっています。

PANSS陽性効果量
ソリアン0.69ハロペリドール0.49ラツーダ0.33
クロザピン0.64シクレスト0.47カリプラジン0.30
リスパダール0.61ジプラシドン0.43イロペリドン0.30
クロルプロマジン0.57セロクエル0.40レキサルティ0.17
オランザピン0.53セルチンドール0.40
インヴェガ0.53エビリファイ0.38

メタ分析の結果では、リスパダールのPANSS陽性スコアの効果量は、0.61となっています。

オランザピンの0.53より大きいです。ソリアンやクロザピンに次ぐ陽性症状への効果の高さになっています。

リスパダールの陽性症状への効果は、とても高いというメタ分析の結果になっています。

陰性症状への効果

次に、リスパダールの「陰性症状」への効果に絞って見ていきます。メタ分析におけるPANSS「陰性」スコアの「効果量」は、下の表のようになっています。

PANSS陰性効果量
クロザピン0.62インヴェガ0.37ハロペリドール0.29
ソリアン0.50クロルプロマジン0.35ラツーダ0.29
オランザピン0.45エビリファイ0.33レキサルティ0.25
シクレスト0.42ジプラシドン0.33イロペリドン0.22
セルチンドール0.40カリプラジン0.32
リスパダール0.37セロクエル0.31

メタ分析の結果では、リスパダールのPANSS陰性スコアの効果量は、0.37となっています。

オランザピンの0.45よりだいぶ小さいです。シクレストの0.42よりも小さく、インヴェガの0.37と同程度になっています。

リスパダールの陰性症状への効果は、それ程高くないと思われます。

リスパダールの短期的な有効性は、総合的に見ると、オランザピンと同じ位あります。オランザピンより、陽性症状への効果は高いですが、陰性症状への効果は低いです。

次の記事へのリンクはこちらです。
リスパダールは「使わない方がいい」のか(11/11)

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